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       □■□ うつくしま教育通信 Vol.132 □■□2015.5.20

  発行:福島県教育委員会        http://www.pref.fks.ed.jp/

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☆☆ 目次 ☆☆ 
◎リレーエッセイ
  県教育委員会委員長  高橋 金一(たかはし きんいち)
◎日々の思い
  県文化財課長       津田 正美(つだ まさみ)
◎お薦めの一冊コーナー
◎学校自慢コーナー
  南相馬市立金房小学校
  白河市立白河第二中学校
  福島県立新地高等学校
◎お知らせ
◎編集後記

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◎リレーエッセイ 

「偶然の一致、出会いの妙」

           県教育委員会委員長 高橋 金一(たかはし きんいち)

 万葉集第3807首に次のような歌があります。

 安積山影さへ見ゆる山の井の浅き心を吾(わが)思はなくに

 皆さん、ご存じの郡山うねめまつりのもととなった、葛城王と安積采女伝説に
関わる歌です。
 8世紀前半(732年頃というのが有力)、葛城王(後の橘諸兄)が陸奥国を
訪れた際、国司らのもてなしが足りず、不機嫌になってしまった時に、以前都で
采女であった女性が「安積山の影をうつす山の清水は、深くはないけれど
澄んでいます。私たちはそのような清い心で精一杯のもてなしを
しているのです。」という意味のこの「安積山の歌」を詠んでもてなしたところ、
葛城王の機嫌がすっかりなおったと万葉集に記されています。
 葛城王は、その後都に戻り、736年11月11日臣籍降下し、橘宿禰の
氏姓を賜り、翌年、朝廷から大納言に任ぜられ、その翌年右大臣に任ぜられ、
一躍朝廷の中心的存在になっていきました。
 その橘姓を賜ったときの葛城王による御製歌が万葉集に収録されています。

 橘は実さへ花さへその葉さへ枝(え)に霜降れどいや常葉(とこは)の木


 ところで、「安積山の歌」の歌枕となった安積山は、郡山市逢瀬町の額取山
(ひたいどりやま)を指すといわれています(他説あり)。
この額取山の標高は1009mです。何と先の葛城王の御製歌は万葉集の
第1009首の歌として収録されているのです。万葉集が編纂された頃は、
メートル法のメの字もなかった頃ですから、人為的な要素は全くなく、
偶然というほかはありません。
 この橘諸兄の歌の万葉集における番号と、安積山(額取山)の標高の一致を
私に御指摘下さったのは郡山文化協会副会長の丹治徹さんでした。
 このお話を初めて聞いたとき、私は、偶然の一致だけでは片付けられない、
人知を超えた何かがあるのではないかと密かに思いました。

 偶然の一致と言えば、東日本大震災とアメリカ同時多発テロの奇妙な
偶然に気がつきました。
 東日本大震災の発生時刻   2011(平成23)年3月11日14時46分
 アメリカン航空11便がNY世界貿易センタービルに突入した時刻
                     2001年9月11日8時46分(米国東部標準時)
 この二つの災厄は、1の付く年の同じ11日の同じ46分だったのです。
 これを単に数字の偶然なのかも知れません。
 しかしながら、この一致に気づいたとき、私は何か見えないものの存在の
仕業を疑いました。

 こうした一致があるからということではありませんが、
2012(平成24)年からアメリカ同時多発テロの遺族で構成される911家族会が
東日本大震災の被災地視察のために毎年のように来日するようになりました。
 私はこの視察に3年にわたり係わってきました。この模様の一端については、
2012年11月21日付うつくしま教育通信(vol.102)の拙稿
「復興の折り鶴」で紹介させて頂きました。

 最初の訪問の際は、グランドゼロから回収した世界貿易センタービルの
鉄骨から作られた折り鶴のモニュメントを持ってきて下さいました。
この折り鶴のモニュメントには、911トリビュートセンターに平和を祈って
寄贈された、広島平和祈念公園の「原爆の子の像」のモデルとなった
佐々木禎子さんが実際に折った折り鶴に対する返礼の意味も込められていました。

 10月25日、このモニュメント設置場所の地鎮祭が行われました。
その日にわかったことですが、この10月25日というのは、佐々木禎子さんの
58回目の祥月命日だったのです。
 この911家族会のアメリカ側の窓口となっている方は、ニュージャージー州
イングルウッドロータリークラブに所属する、ニューヨーク在住の日本人の
柳澤さん御夫妻で、奥さんが、これも偶然ですが、私の住む郡山市の姉妹都市
奈良市の御出身です。そして驚いたことに、私ども夫婦と柳澤御夫妻の
結婚記念日が5年違いの同じ日だったのでした。

 こうしたことが重なると、私も、単に偶然と言うより、何か運命的なもの、
宿命的なものに導かれているのではないかと感じるようになりました。
 このようなことがきっかけで、一昨年ポルトガルはリスボンで開催された
ロータリークラブの世界大会の国際会議において、被災地・原発事故被害地
福島のことを報告しないかと持ちかけられ、私はその話を引き受け、
初めての英語でのプレゼンテーションをさせて頂きました。
 そして今年、来る6月7日、飛行機で24時間以上もかかるサンパウロで
開催されるロータリークラブの世界大会でも、その後の状況などを
報告することになってしまったのです。

 ところで、2012年の最初の訪問の時から、911家族会の方々は、
県立聾学校の生徒との交流も継続しています。この交流により、県立聾学校の
生徒たちは、少なからず世界を意識したことでしょう。
 また、今年、福島県には、ふたば未来学園高等学校が誕生しました。
同校は、「先進の学びで、地域から世界へと、そして未来へと広く社会に
貢献する人材を育成する学校」と位置づけられ、国際教育や海外研修を
実践する学校として、「高等学校等におけるグローバル・リーダー育成に
資する教育を通して、生徒の社会課題に対する関心と深い教養、
コミュニケーション能力、問題解決力等の国際的素養を身に付け、もって、
将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的」
とするスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定されました。

 このような時期に教育委員会委員長に就任した私は、奇妙な偶然、或いは
運命的な邂逅が積み重なり、再び国際会議においてプレゼンテーションをする
機会に恵まれたことを利用して、福島の教育を世界に向けてアピールすることが
使命ではないかと思うようになりました。

 ふたば未来学園高等学校の応援団は、「前例なき環境には前例なき教育を」を
スローガンに活動をしております。先進の学びで地域から世界へと、
そして未来へと社会に貢献する人材となることを目指すふたば未来学園高等学校の
生徒たち、911家族会との交流から海外へのつながりに目覚めた県立聾学校の
生徒たち、東日本大震災・原発事故という前例なき環境で教育を受けている
福島県の子どもたちに夢を与えてほしい、海外研修の際のホームステイの
受け入れでもいい、そうしたことを世界にアピールしてきたいと思います。

 ふたば未来学園高等学校のレセプションのパンフレットにあった、ある生徒の
ことばが印象に残っています。
 「私にとって東日本大震災とは?」という問いに対し、
 「私はこの出来事をあまり悲観的にとらえていません。
  むしろ東北や故郷である双葉郡の魅力を伝えるチャンスだと思っています。
  状況を逆手にとり、震災前より活気あふれる双葉郡にしたいです。」

 東日本大震災、そして原発事故がなければ、2度も自分が世界へ向けて
語りかけるチャンスはありませんでした。震災がなければ、神様が仕組んだとしか
思えない偶然を思わせる、さまざまな人々との邂逅、運命的ともいえる経験も
ありませんでした。
 このふたば未来学園高等学校の生徒のように、私もこのチャンスに、
ささやかではありますが、未来に活気をもたらすような挑戦をしてきたいと
思っています。


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◎日々の思い

「ふるさとの踊り」                            

           県文化財課長 津田 正美(つだ まさみ)  

 文化財の種類のひとつに民俗文化財があります。
 昨年度末に、現在避難区域となっている南相馬市小高区の「村上の田植踊」が
県重要無形民俗文化財に指定されました。
 地震による津波で、保存会の会長さんをはじめ、多くの会員の方が犠牲に
なられ、それに加えて、原発事故により避難生活を余儀なくされている状況での
指定でした。
 会員の減少と避難生活で、活動休止の危機にある中、踊りを通じて
結ばれている地域の皆さんの心の絆が、指定に繋がったのではないでしょうか。

 この指定のときに、もうひとつのふるさとの踊りを思い出しました。
 以前、北海道で勤務したときに、道内の福島県人会(当時は17県人会)の
皆さんとお付き合いがありました。その中に、明治31年、現在の伊達市
保原町大田から村長を団長として入植した福島団体を先人とする
『米飯福島県人会』が旭川市の旭山動物園の近くにあります。
 この県人会には、ふるさと大田の踊りが継承されており、「ペーパン福島踊り」
として旭川市の郷土芸能に指定されています。
 この踊りは、開拓の苦しさ、淋しさを慰めるため、郷土の踊りに楽しさを求め、
これまで踊り継がれてきたものだと、お聞きいたしました。

 このふたつの民俗芸能には、避難と入植という違いはありますが、
ふるさとを離れても、踊りが絆となり、地域の結びつきに繋がり、苦しい生活に
耐えることができたという点では共通しているのかなと思います。

 北海道の話が出ましたので、この際ですから、北海道にある本県ゆかりの
指定文化財を紹介したいと思います。

 まず、利尻島、焼尻島、稚内には、江戸時代、北方警備に従事した会津藩士の
墓があり、それぞれ所在する市町(利尻町、利尻富士町、羽幌町、稚内市)の
指定文化財になっています。
 札幌市の琴似には、明治8年、旧会津藩から55戸が入植しましたが、
琴似神社の境内に北海道有形文化財に指定されている佐藤喜一郎氏の
百四十番兵屋が保存されています。
 旭川市には、先ほどの福島団体が建てた市指定文化財の養蚕民家が
保存されており、福島でも見られないほどの原形を保っています。

 皆さん、このように民俗芸能は、地域への愛着や誇りをつくりあげる
ものですので、いつまでも継承できるよう、御支援をお願いいたします。
 また、北海道に旅行の際は、是非、本県から北海道に渡った先人達が
残したこれらの文化財を訪ねてみてください。


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◎お薦めの一冊コーナー

 このコーナーでは、福島県立図書館司書のお薦めの一冊を御紹介します。

 ○おすすめの一冊

   『子どもと本』      (松岡享子/著  岩波書店  2015)

 本書は、「子どもの読書に関心はあるけれども、子どもの本については
詳しく知らない…」という人達が読み手として想定されています。

 “昔話はなぜ子ども達を引き付けるのか”や“どのような本を選べば良いのか”など、
身近に子どもがいる全ての人々にとって参考になるテーマで、語りかけるように
書かれています。

 インターネットやスマートフォンが欠かせない時代にあっても、本は子どもを
幸せにする確かな手立てであることが感じられます。

                        (県立図書館司書 M.S)

  県立図書館024−535−3218
  https://www.library.fks.ed.jp/


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◎学校自慢コーナー

 このコーナーでは、各学校の特色ある取組を御紹介します。詳しい内容を
県教育委員会のホームページで紹介していますので、御覧ください。   

○『たくさんの方々に支えられ・・・・
    元気いっぱい、笑顔いっぱい、花いっぱい金房小学校”』

                   南相馬市立金房小学校

 金房小学校は、平成25年度より鹿島中学校内仮設校舎にて、福浦・鳩原小学校とともに
教育活動を推進しています。
 東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響により、県内外で80余名の児童が
区域外就学をしていますが、仮設校舎では25名の児童が元気いっぱい笑顔いっぱいで
生活しています。

  南相馬市立金房小学校の学校自慢のページへ
→ http://www.pref.fks.ed.jp/school/soso_s/s_minamisouma_hanabusa1505.pdf
  南相馬市立金房小学校のホームページへ
→ http://www.minamisoma.gr.fks.ed.jp/?page_id=166
  
  
○『親子いきいき家庭教育支援推進事業(ノーメディアデー)の実践』

                   白河市立白河第二中学校

 白河市では現在、幼・小・中・高のPTAによるノーメディアデーの取り組みを
実践しています。この取り組みは、TVや携帯電話、ゲームなどの電子メディアへの
長時間の接触や過度の依存による生活習慣の乱れや親子がふれあう時間の減少などの
課題を解決することをねらいとしています。
 本校では本校区内の白河第二小学校、みさか小学校と連携し、家庭教育の充実を
図っています。

  白河市立白河第二中学校の学校自慢のページへ
→ http://www.pref.fks.ed.jp/school/kennan_t/t_shirakawa_shirakawadaini1505.pdf
  白河市立白河第二中学校のホームページへ
→ http://www.shirakawa2-j.fks.ed.jp/


○『今、復興の中で ―ふくしま浜街道「桜プロジェクト」植樹ボランティア―』

                  福島県立新地高等学校

 新地町は、JR常磐線がまだ全面復旧していない状況はあるものの、
浜通り各市町村の中では、震災後の復旧・復興が急速に進んでいる地域の
一つであるため、本校生は、日々変化する環境の中で学校生活を送っています。
 そのような中、本校では、教育目標に「社会に貢献できる人材育成」を掲げ、
地域との連携を踏まえた活動を、学校行事・部活動・ボランティア活動等において
行い、新地町に関わる各種イベントにも積極的に参加しています。
 今回は、NPO法人ハッピーロードネットの主催で、ふくしま浜街道
「桜プロジェクト」の植樹ボランティアに参加しました。
 
  福島県立新地高等学校の学校自慢のページへ
→ http://www.pref.fks.ed.jp/school/soso_k/k_sinti1505.pdf
  福島県立新地高等学校のホームページへ
→ http://www.shinchi-h.fks.ed.jp

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☆☆お知らせ☆☆
  ここから5月のお知らせコーナーです。
   
◎ 義務教育課からのお知らせ
 ○平成27年度福島県公立小・中学校臨時的任用教員募集のお知らせ

 福島県教育委員会では、臨時的任用教員として勤務していただける方を
募集しています。
 復興へ向けてがんばっている各地域をさらに元気にするために、復興を担う
子どもたちの未来のために、あなたの力を講師として発揮してみませんか。

  詳しくはこちらを御覧ください。
   → http://www.gimu.fks.ed.jp/saiyou/27_rinjiteki_gimu/sub_27_rinjiteki_gimu.html  


◎ 社会教育課からのお知らせ
 ○「ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業」について

 子どもたちの豊かな人間性や生きる力の育成を図るため、東日本大震災の
経験を踏まえ、再発見した郷土の良さを伝え合い発信していくような交流活動や
充実した自然体験活動等を支援します。

 ふくしまっ子自然体験・交流活動支援事業
   → http://www.syakai.fks.ed.jp/project6/project6.html


◎ 県立美術館・博物館からのお知らせ
 ○福島県立博物館企画展
   ふるさと会津の人と四季 ―福島県立美術館名品展―
  
 福島県立美術館は、施設整備のため今年度休館となります。
その間、美術館の収蔵作品を県内各地で鑑賞していただけるよう、
県内4地区での展示を予定しています。
 この展覧会は、奥深い会津文化の魅力を、会津出身・ゆかりの画家たちの
名品約60点で振り返るものです。
 春の一日を、ぜひ会津の福島県立博物館でお楽しみください。

   場 所:県立博物館 
   期 間:開催中 〜 6月21日(日)
   観覧料:一般・大学生 270円  高校生以下 無料

   詳しくはこちらを御覧ください。
    → http://www.art-museum.fks.ed.jp/exhibition/aizu.html
 

◎施設財産室からのお知らせ
 ○広告を募集しています!

 県教育委員会及び県立図書館のHPのトップページに掲載いただける広告を
募集しています。
   詳しくはこちらを御覧ください。
    → http://www.pref.fks.ed.jp/koukoku/index.html   


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□■□ 編集後記 □■□

 5月24日(日)の午後1時から伊達市保原体育館で伊達市の中学校吹奏楽部と
東京藝術大学ウィンドオーケストラによる合同演奏会が開催されます。伊達市の中学生は、
藝大の先生・学生さんから年間を通じて指導を受けており、その集大成を披露する場
だそうです。

 一度拝見した練習風景では、中学生の眼差しは真剣そのもの。つい息を潜めて
見入ってしまいました。
 他方、このプロジェクトの中心人物である東京藝大の山本正治教授にお話を聞いたところ
「学生は中学生に教えることで、さらに自身の技能を高めている」とのことでした。

 今年で4回(年)目。伊達市教育委員会をはじめとする関係者のご尽力で、
回を重ねるごとに素晴らしい演奏会になっております。
 今回、中学生はどんな思いを込めて奏でてくれるでしょうか。
 ぜひ足を運んでみてください。

             教育総務課長 大類 由紀子(おおるい ゆきこ)

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 配信の申込み、停止は次のページにてお手続きください。
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■このメールについて
 ・お問い合わせは、福島県教育庁教育総務課へお願いします。
  電話 024-521-7759
  メールアドレス k.kouhou@pref.fukushima.lg.jp
 ・このメールの再配信は御遠慮ください。
 ・このメールは携帯電話の形式には対応しておりません。

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 編集・発行 福島県教育委員会
 発行日 平成27年5月20日(水)
  http://www.pref.fks.ed.jp/
  e-mail k.kouhou@pref.fukushima.lg.jp

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